その1  “証券市場に於ける景気観測の原理“  オットー・ドンナー

“興味有る本及びテーマ(古書店の効用)として第一回の投稿をしたいと思います。

 投稿者は“学者“では有りませんので、“嗜好“で何らか勉強したいとは当然にも思っていません。なんらか“現実の諸問題の解決“に役立ちうる目的でない物は何の意味も無い只の暇つぶしでしかないでしょう。
(学者という言葉が悪いという意味ではありませんが)


 そういう中、投稿者が古書店街へしょっちゅう行っている事は前回述べましたが、現在手元に、何冊かの興味引かれる本が有りますので、それを主体に述べて行きたいと思います。


その中には当然、何らか“一般に見られない“物では無い物もありますが、今回はその第一回として表題の本について述べてみたいと思います。当然の事ながらこのテーマで取り上げていく本は投稿者が未だ“中身を読んでない“ものについて述べるという事で、これはつまりは将来それを参考として纏まった何らかの経済学的に“役立ちうる“物になれば良いと言う事です。


 



 この本はつい最近神田の“明文堂書店“で手に入れた物ですが、五千円だったと思いますが、この表題の本は原題ドイツ語で昭和13年2月に立命館出版部発行、石田興平訳となっています。

原著者のオットー・ドンナーは序言によればドイツのベルリン、“ドイツ景気研究所“の研究員で内容は証券市場の変動と景気変動の関係を科学的に明らかにしようとする物であり、当然にもこれにより何らか“証券収益“を得ようとする物では有りません。中身はおよそ十九世紀後半からのドイツの証券市場を中心に述べているようです。


投稿者が何故この本に興味を抱くかという事は、別項で“景気政策史“を取りまとめている最中ですが、その中でやや疑問に思ったのは多くの邦語文献で十九世紀金融史ないし英銀行政策史等述べている物は幾らかはあるわけですが、その中で特にイギリスにおいても十九世紀後半には証券市場がかなり発達していたはずですが、その金融市場の分析に証券市場の事が殆どと言っていいぐらい出てこないという事です。


金融市場に身をおいている方だったらすぐ解るように金融市場の中で証券市場の動きは無視するわけには行かないはずです。というのも特に債券市場は金利と密接なリンクがあるはずでその点を何らか述べていない歴史分析は何らか“不足“な部分が在るのではと思わざるを得ないからです。(十九世紀後半にはイギリスには日本国債も市場に有ったわけでその値動き等も問題になっていたはずです)






 現在の投稿者の“問題意識“はまだそれだけですが、別に“投稿者が“それを示さなければならない理由も無いわけですが、何方か既にいい文献をご存知の方がいたらご教示いただければとも思います。







以下次回