景気政策入門講座−3 “需要“と“供給“は繋がっている


■経済学に於ける“需要“と“供給“■

 
 前回、“不況“とはそもそも何であるかと言う事について書きましたが、要はこの(市場型)経済体に於ける“市場“−物・(サービス)・金融−取引の内容である

“実物“に於ける“物が売れない現象“及び“金融市場“に“お金“が入ってこない現象 この二つが特徴である事を話しました。
 
若干付け加えるならお読みになって解ると思いますが、物が売れなければ会社は成り立ちませんし、又そうなれば倒産と言う事にもなり、又そうなれば“失業“と言う事につながり、従って世に言う“不景気“と言う事になるのはお分かり頂けると思います。


これは一般に経済学においては、物の生産、交換、分配、消費 及び金融面の“融通−お金のやり取り−“を分析の対象とするということからも

①実物
②金融

の両面に於ける“需要“と“供給“の問題であると言う風にも言えると思います。


 ▼需要と供給▼
・・実際には繋がっている“需要“と“供給“・・


 一般に公民の教科書等においては物の販売量、値段は“需要“と“供給“で決まる と書いてあります。又一般的な説明でもそのような説明が一般的であると思います。しかしこれは良く考えるとそれだけではすまない事が解ります。

それは何にかというと、例えばAさんの会社では自転車を作っているとします。その場合に何らかの関係で賃金コストが1/2になったとします。つまり例えば社長がワンマンで賃下げしたような場合です。その場合、前と同じ値段で売れるとするなら当然会社の利益は増えます。


 しかし、ここで新たな問題が生じる事になります。それは何かと言うとAさんの会社だけがそうなるのなら良いのですが、世の中のほかの所でもそういうことが広がるとするなら、この会社Aは“供給側“でありますが、では誰がそれを買うのか−つまり“需要者“は誰かと言う場合、社会の勤労者全体のほかにはいないと言う事に気がつくと思います。
(社長さんも購買する側と言う事では需要者ですが話を簡単にする為に省きます)


 そうすると社会全体で賃下げが起こるならトータルとしての需要は減る事になります。

つまり、Aさんの会社1社だけがそうするなら良いのですが社会全体でそういうことが起きると販売不振という状況が生まれるという事です。

これをそうするに、一見ばらばらのように見える“需要“と“供給“ですがそれは実は繋がっていると言う事が解ると思います。





尚、この場合において、

①、増加した利益部分があるのでは?
②、賃金が下がった部分だけ、全体として物の価格が下がればいいのではないか?

と言う疑問が出ると思いますが、それについては次回以降に述べたいと思います。


以下次回